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みなさんは、フィギュアスケートのルールをどのくらいご存知でしょうか?
フィギュアスケートと聞くと、よくテレビで放送されている男子シングルや女子シングルを思い浮かべるかもしれませんが、そのほかにも、ペア、アイスダンスといった種目があって、ルールもそれぞれに定められているんですよ。
また、ジャンプやスピンなども、実はルールで決められた回数の中で選手は演技をこなしていて、基礎点とジャッジによる出来栄え点(GOE)の総合得点が各選手の得点となり、順位に反映されているんです。
でも、そのルールのすべてを把握するのは大変ですし、公式ハンドブックを読んでも難しくてよく分からないのではないかと思います。
そこでここでは、主にテレビで放送されるシニアの男子シングルと女子シングルのルールについて、フィギュアスケート初心者の方にも分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
2019-2020シーズン最新版のルールもご紹介しますので、ぜひチェックをしてみてくださいね。
フィギュアスケートのルールでショートとフリープログラムの違いとは?
男子シングルと女子シングルは、ショートプログラムとフリープログラムの総合得点で競われる競技です。
そのため、ショートプログラムの得点が良くても、フリープログラムの得点が低ければ総合順位が下がってしまいますし、また、その逆も起こり得ます。
ショートプログラムもフリープログラムも、より良い得点を獲得することが上位を狙えるカギとなってくるわけなんですね。
それではさっそく、男子シングル・女子シングルで行われる、ショートプログラムとフリープログラムの違いについて見ていきたいと思います。
【ショートプログラム】
・Short Program(略:SP)
「ショートプログラム」と呼ばれることもありますが、略して「ショート」と呼ばれることの方が多いです。
・演技時間:2分40秒±10秒
(男子・女子共通)
【フリープログラム】
・Free Skating(略:FS)
本来はフリースケーティングなので、テレビなどでもFSと表記されるのですが、日本では古くから「フリープログラム」という呼び方が定着しているため、「フリースケーティング」よりも「フリープログラム」と呼ばれることが多いです。
また、略して「フリー」と呼ばれることが多いので、男子シングル・女子シングルには「ショート」と「フリー」があると覚えておくと分かりやすいかと思います。
・演技時間:4分00秒±10秒
(男子・女子共通)
【2019-2020シーズンルール改正】
2018-2019シーズンに、男子シングルのフリープログラムの演技時間が4分30秒±10秒から4分00秒±10秒に短縮されました。
2019-2020シーズンも引き続きフリープログラムの演技時間は、4分00秒±10秒として定められています。
フィギュアスケートのルール男子&女子のショートプログラムの基礎知識
それでは次に、ショートプログラムについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
ショートプログラムには、決められたジャンプ構成を跳ばなければいけないというルールがあります。
ジャンプは必ず3回行い、すべて違う種類のジャンプを跳ばなければいけません。
また、ジャンプを跳べるのは3回までと決められているので、失敗したジャンプを跳び直すことができません。
そのため、規定のジャンプをミスしてしまった場合には大きく減点されてしまうので、演技時間としては短いのですが、見ている方も緊張感が感じられるのがショートプログラムの特徴ではないかなと思います。
それでは男子シングル、女子シングルのショートプログラムの必須項目をそれぞれ見ていきましょう。
【男子シングル】
1.2回転以上のアクセルジャンプを1回
2.単独の3回転または4回転ジャンプを1回
3.2.の単独のジャンプとは異なる種類のコンビネーションジャンプを1回
4.フライングスピン
5.フライングスピン以外の単一姿勢による1回のみの足換えありのキャメルスピンまたはシットスピン
6.1回のみの足換えありのスピン・コンビネーション
7.ステップシークエンス
【女子シングル】
1.2回転以上のアクセルジャンプを1回
2.単独の3回転ジャンプを1回
3.2.の単独のジャンプとは異なる種類のコンビネーションジャンプを1回
4.フライングスピン
5.フライングスピン以外の単一姿勢によるレイバックスピン/サイドウェイズ・リーニング・スピンまたは足換えなしのシットスピンまたはキャメルスピン
6.1回のみの足換えありのスピン・コンビネーション
7.ステップシークエンス
※ 女子シングルのショートプログラムの現在のルールでは、4回転ジャンプの構成は認められていません。
【ショートプログラムまとめ】
男子・女子ともに、ショートプログラムでは7つの演技要素が決められています。
上記の1番から7番の順番通りに行う必要はなく、コンビネーションジャンプを最初に跳ぶ選手もいれば、アクセルジャンプを最後に跳ぶ選手もいますので、演技構成は自由に変えることができます。
ですが、ジャンプは3回までしか跳ぶことができませんので、単独の3回転ジャンプを跳んだあとにコンビネーションジャンプを失敗してしまって、結果的に3回転ジャンプが2回になってしまったとしても、もう一度コンビネーションジャンプを跳び直すということができません。
ただし、最初にコンビネーションジャンプを跳ぶはずだったものが単独の3回転ジャンプになってしまった場合には、次に予定していた単独の3回転ジャンプをコンビネーションジャンプにすることは可能です。
ショートプログラムで唯一できるリカバリー方法といえるでしょう。
ジャンプの種類も難易度によって6種類あるのですが、単独のジャンプとコンビネーションジャンプの種類を変えないといけないので、難易度が高く基礎点が高いジャンプを多く跳べる選手が有利になってきます。
また、アクセルジャンプは2回転以上と決められていますので、ジャンプの途中で姿勢が乱れて1回転のシングルアクセルとなってしまった場合には、ジャンプの基礎点がもらえず0点になってしまいます。
【2019-2020シーズンルール改正】
・基礎点の1.1倍の得点が加算されるジャンプの制限
旧:2017-2018シーズンまで
演技時間の後半に跳んだすべてのジャンプについて基礎点の1.1倍の得点が加算。
新:2018-2019シーズンから
ショートプログラムで跳ぶ3本のジャンプのうち、最後に跳んだジャンプにのみ、基礎点の1.1倍の得点が加算。
2019-2020シーズンもこのルールに変更はありません。
・アンダーローテーションとエッジエラーの減点率の緩和
ジャンプの回転不足(アンダーローテーション)と、フリップジャンプとルッツジャンプの踏み切りエラー(エッジエラー)に関して、減点されるパーセンテージが緩和されました。
旧:2018-2019シーズンまで 基礎点の75%
新:2019-2020シーズンから 基礎点の80%
また、そのほか、基礎点からプラスマイナスされるGOE(出来栄え点)に関しても、新しくなっているようです。
詳しく知りたいという方は、日本スケート連盟のハンドブックとGOEに関する最新ファイルをご覧になってみてくださいね。
参考 テクニカルパネル ハンドブック日本スケート連盟 参考 国際スケート連盟コミュニケーション第2254号日本スケート連盟
フィギュアスケートのルール男子&女子のフリープログラムの基礎知識
それでは最後に、フリープログラムについて詳しく見ていきたいと思います。
フリープログラムもショートプログラムと同様に、決められた要素があります。
同じジャンプの種類を繰り返せるのは2回まで、といったルールはありますが、ショートプログラムのようにどのジャンプを1回といった限定されたものがないので、決められた回数の中でジャンプのミスをリカバリーすることが可能になってきます。
とはいえ、練習ではできていたものが本番でミスをしてしまうと、どこでリカバリーすれば良いのかをとっさに判断できる選手も少ないので、そう簡単にいかないのが現状ですね。
でも、ジャンプのミスをしてしまったらここでリカバリーする、といった練習を普段から行っていたり、本番でも冷静かつ柔軟に対応して演技をこなし、最低限の減点に留めることができる選手もいます。
ジャンプのミスを想定した練習や、本番での冷静な判断、そしてミスを補えるジャンプの技術がある選手がトップ選手であるともいえるでしょう。
それでは男子シングル、女子シングルのフリープログラムの演技項目を見ていきましょう。
【男子および女子シングル】
1.アクセルジャンプ1回を含む合計7回のジャンプ
(コンビネーションジャンプまたはジャンプシークエンスは最大3回まで)
2.スピン・コンビネーション、フライングスピンまたはフライングエントランスのスピン、単一姿勢のスピンの合計3回
3.ステップシークエンス
4.コレオグラフィック・シークエンス
【フリープログラムまとめ】
フリープログラムでは12個の演技要素があります。
ショートプログラムと同様に、演技をする順番は自由に決めることができます。
2018-2019シーズンのルール改正により、男子シングルの演技時間が30秒短縮されて4分±10秒になったので、ジャンプを跳ぶ回数も8回から7回になったため、男子シングルも女子シングルと同じ12個の演技要素になりました。
ソロジャンプの回転数に制限はなく、ショートプログラムのようにミスをしてシングルジャンプになってしまっても、基礎点は少なくなりますが0点になることはありません。
ただし、ミスをした上に転倒をしてしまった場合には、転倒による減点もされてしまうので、限りなく0点に近い点数になってしまうことはあります。
ジャンプに関しては、ダブルアクセルを含むダブル(2回転)ジャンプは2回を超えてはならず、3回転および4回転ジャンプはそれぞれ2種類のみを2回行うことができます。
ですが、同じ種類で同じ回転数のジャンプを2回繰り返す場合には、どちらか1回をコンビネーションジャンプにする必要があります。
また、2種類のジャンプを繰り返す際、同じジャンプの種類で単独の3回転と単独の4回転を跳んだ場合には、異なる2つのジャンプを跳んだという判定になります。
(例:同じジャンプを2回繰り返す場合)
1回目:3回転ルッツ
2回目:3回転ルッツ+3回転トウループのコンビネーションジャンプ
※4回転ジャンプも同様に置き換えることができます。
※1回目にコンビネーションジャンプ、2回目が単独ジャンプという組み合わせでも認められます。
※もし、1回目に単独ジャンプを行い、2回目に試みたコンビネーションジャンプがミスとなって単独のジャンプになってしまった場合には、2回同じ種類の単独ジャンプを跳んだということになり、「+REP(繰り返し)」の判定とされ、2回目のジャンプについては基礎点の70%しかもらうことができません。
【2019-2020シーズンルール改正】
・基礎点の1.1倍の得点が加算されるジャンプの制限
旧:2017-2018シーズンまで
演技時間の後半に跳んだすべてのジャンプについて基礎点の1.1倍の得点が加算。
新:2018-2019シーズンから
フリープログラムで跳ぶ7本のジャンプのうち、最後の3本のジャンプにのみ、基礎点の1.1倍の得点が加算。
2019-2020シーズンもこのルールに変更はありません。
・アンダーローテーションとエッジエラーの減点率の緩和
ジャンプの回転不足(アンダーローテーション)と、フリップジャンプとルッツジャンプの踏み切りエラー(エッジエラー)に関して、減点されるパーセンテージが緩和されました。
旧:2018-2019シーズンまで 基礎点の75%
新:2019-2020シーズンから 基礎点の80%
また、そのほか、基礎点からプラスマイナスされるGOE(出来栄え点)に関しても、新しくなっているようです。
詳しく知りたいという方は、日本スケート連盟のハンドブックとGOEに関する最新ファイルをご覧になってみてくださいね。
参考 テクニカルパネル ハンドブック日本スケート連盟 参考 国際スケート連盟コミュニケーション第2254号日本スケート連盟【ジャンプとスピンの見かけ方】
フィギュアスケートを見ていても、ジャンプの種類の見分けが付かないと思っている方も多いのではないでしょうか。
ジャンプを跳ぶ瞬間のエッジの向きや軸足で見分けると分かっていても、なかなか難しいものですよね。
そこで、ジャンプとスピンの種類を分かりやすく解説された動画がありますので、ご紹介したいと思います。
元フィギュアスケーターが実際に演技をしている、とても分かりやすい動画になっていますので、興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。
参考 村主章枝によるジャンプの基本紹介キャノン・ワールドフィギュアスケートウェブ 参考 太田由希奈によるスピンの基本紹介キャノン・ワールドフィギュアスケートウェブ
フィギュアースケートの男女ショートとフリーの違いやルールまとめ
フィギュアスケートの男子シングルと女子シングル、ショートプログラムとフリープログラムの違いやルールの基礎知識についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
決められた時間の中で、決められた演技構成を行っているというのが、お分かりいただけたのではないかと思います。
ジャンプに失敗したらもう一回跳べばいいじゃない?と思ったこともあるかもしれませんが、それができないケースもあるんですよね。
初心者の方にも分かりやすいよう、2019-2020シーズンのルール改正については省略してお伝えしていますが、テレビ観戦をする上で知っていたら十分楽しめると思います。
フィギュアスケートをテレビ観戦する際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。