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フィギュアスケートにおける日本人選手を見てみると、男子シングルで初めてオリンピックでメダルを獲得した高橋大輔選手をはじめ羽生結弦選手や宇野昌磨選手、そして、女子シングルでも荒川静香さんや浅田真央さんらもオリンピックでメダルを獲得していて、男子・女子シングルにおいては日本人選手の活躍が世界からも注目されています。
同じ日本人としても、とても誇らしいですよね!
ですがその一方で、ペア競技に目を向けてみると、日本は弱く、世界の強豪国との実力の差が大きく開いています。
それはいったいなぜなのでしょうか?
そこでここでは、フィギュアスケートのペア競技について、なぜ日本は世界に遅れを取っているのか、その実態に迫ってみたいと思います。
フィギュアスケートのペア日本はなぜ弱い?
それではまず、日本のフィギュアスケートペア競技は、なぜ弱いの?という点について見ていきたいと思います。
ペア競技が日本で発展しない理由について調べてみたところ、5つのポイントがあることが分かりました。
【ポイントその1 競技人口が少ない】
近年では、羽生結弦選手や宇野昌磨選手、宮原知子選手などの活躍の影響もあって、フィギュアスケート人口は増加傾向にあるようですが、ペアとなると、やはり競技人口が少ないと言います。
シングル競技は成長のピークが20代前半ということもあって、長く競技を続けるために、ペアやアイスダンスに転向する選手もいるため、シングル競技を辞めた選手がやるもの、といったあまり良くないイメージも影響しているのではないか、という見方もあるようです。
初めからペアをやりたい!と思う選手が少ない、ということなんですね。
【ポイントその2 メディアの注目度が低い】
どうしてもシングル競技ばかりをテレビで放送されるので、ペアやアイスダンスの人気や認知度が低いというのも、競技人口と関係があるのかもしれません。
【ポイントその3 男性競技者の体格】
ペアやアイスダンスといったペアで行う競技は、男性が女性を持ち上げるなど、男性側の体の負担が大きくなります。
特にペアでは、男性が女性を持ち上げるリフトを行う際に、より難易度を上げるために片手で女性を支えることもあります。
また、ツイストリフトと呼ばれるものは、男性が女性を回転させながら頭上に投げて、さらにその女性をキャッチしなければならないので、細身のフィギュアスケート選手が多い日本では、女性をキャッチをするのが精一杯で、難易度を下げざるを得ない(得点が出ない)状況なのではないかと感じることがあります。
そのため、過去にはペアの日本女子選手が海外国籍を取得し、海外の男子選手とペアを組み、オリンピックに出場したケースもあるんです。
ペアを組みたいと思っていても、自分と合う相手がなかなか見つからないということも、ペアの選手が伸び悩む原因なのかもしれませんね。
【ポイントその4 お金】
これはフィギュアスケート全般に言えることですが、クラウドファンディングを行う選手もいるほど、フィギュアスケートはお金がかかるスポーツでもあります。
世界のトップ選手ともなれば、CMの出演料やスポンサー契約などの資金援助などがあったりしますが、多くの選手は衣装や靴、リンクの練習場、海外の遠征費用、コーチへの支払いなどはすべて自費になり、年間にかかる費用は1000万近くに及ぶこともあると言われています。
ペアということを考えると、ある程度の費用は折半できそうに思いますが、お互いの家の事情もあったりするので、どちらか一方が海外での練習を希望しても、もう一方で財政面に余裕がない場合は、渡航を諦めざるを得ない状況になることもあるのだとか。
また、シングル競技の選手が多いため、2人で練習を行うペアやアイスダンスの選手がシングルの選手に混ざって練習をするのは、スペースも狭く危険が伴ないます。
だからといって、営業時間外に練習時間を確保しようと思うと、それはそれでリンクを貸切る費用もかかってしまうので、やはりお金の問題というのは、避けて通れないようです。
【ポイントその5 指導者不足】
シングル競技で活躍した選手は、引退したのちに若い選手たちに振り付けを行ったり、コーチとして指導するといったケースが多いのですが、ペアの選手というのがそもそも日本で少ないため、ペアを指導できる経験者が少ないのだそうです。
日本スケート連盟では、定期的に指導者への講習も行っているようですが、そう簡単にできるものではないのかもしれません。
以上のことから、競技人口が少ないうえに、日本国内でペアを結成するのが難しく、練習場が少ないことや、指導者も不足しているということが、日本のペアが伸び悩んでいる要因の一つと言えそうです。
フィギュアスケートのペアはカップルも多いの?
それでは次に、フィギュアスケートのペアの選手のカップル事情について見ていきたいと思います。
ペア競技であるアイスダンスも含めて見てみると、必ずしも2人が付き合っているとも限らないようで、兄妹(姉弟)というカップルも少ないようです。
ですが、中国のペアのカップルでは、2007年に申雪/趙宏博ペアの趙宏博選手が、2011年にはホウ清/トウ健ペアのトウ健選手が、氷上でプロポーズをしているんです。
演技をした後にプロポーズだなんて、ロマンチックだと思いませんか?
また、アメリカの選手でも、アレクサ・シメカ・ケネリム/クリス・ケネリム組が夫婦であることが分かりました。
演技として割り切っているカップルもいるようですが、実際にパートナーとして結ばれているカップルもいるなんて、ちょっと素敵だなと思いました。
フィギュアスケートのペアの魅力や印象深かったペア選手は?
それでは最後に、フィギュアスケートのペアで、私が印象に残っているペアをご紹介したいと思います。
さきほども少し触れたのですが、中国のホウ清/トウ健ペアです。
スピード感のある中で繰り広げられるアクロバティックなリフト、そして安定感のあるスロウジャンプは、引き込まれるものがありました。
美男美女のペアで、2人の演技を見ているだけでもうっとりしてしまうような、そんなカップルでした。
2011年に上海で行われたアイスショーの際に感動のプロポーズがあったあと、2016年にご結婚されています。
引退されたのが2015年ということですので、すぐに結婚はしないで、競技に集中していたことが伺えますね。
そんな真面目なところもトウ健選手の良さなのかもしれませんね。
まとめ
日本のフィギュアスケートのペア競技が弱い理由についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
日本のスケートリンクが少ないというのは、シングル競技という視点でも以前から言われている問題ではありますが、これがさらにペアやアイスダンスといった2人が演技をするスペースが必要になるペア競技となると、ますます練習場の確保というのが大きな課題であることが分かりました。
また、ペアの競技人口が少ないということだけではなく、日本国内の指導者も少ないというのも問題のようです。
だからといって、海外に拠点を置くとなると、滞在費用もかかってくるので、そう簡単に海外で練習をするというのも難しいんだなと思いました。
シングル競技と同じように、ペア競技でも日本人選手の活躍が目立つ日が来るといいですね。