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冬のオリンピックとしては、日本の獲得したメダルの数が最多となった平昌オリンピック。
特に、スケートの新種目マススタートでは日本人選手が初代金メダルに輝いたということで、歴史にも残る快挙となりましたね。
みなさんはどの競技が印象に残りましたか?
さて、ここではフィギュアスケートの男子シングル、女子シングルの結果と合わせて、私なりの感想もお届けしていきたいと思います。
3月21日から始まる世界選手権や、来シーズンの活躍も期待できる選手がたくさんいますので、世界のトップレベルの選手たちは誰なの?といった視点からも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
平昌オリンピックフィギュアスケート男子シングルの結果と感想!
それでは早速、平昌オリンピックのフィギュアスケート、男子シングルの結果を振り返ってみましょう。
1位 羽生 結弦(JPN)
2位 宇野 昌磨(JPN)
3位 ハビエル・フェルナンデス(ESP)
4位 ボーヤン・ジン(CHN)
5位 ネイサン・チェン(USA)
6位 ヴィンセント・ジョウ(USA)
7位 デミトリ・エリエフ(OAR)
8位 ミハイル・コリヤダ(OAR)
9位 パトリック・チャン(CAN)
10位 アダム・リッポン(USA)
11位以降の選手に関しては、ISU国際スケート連盟のホームページをご覧になってみてくださいね。
参考 Olympic Winter Games PyeongChang 2018 Men Single Skating ResultISU公式HP
【やっぱり羽生結弦選手は別格だった?!】
グランプリシリーズのNHK杯の公式練習で右足首を痛めてしまった羽生結弦選手。
彼の実力であれば、本来は出場できたであろうグランプリファイナルにも出場できず、また、オリンピック選考会でもあった全日本選手権にも出場することができませんでした。
しかし、オリンピックまでには怪我が治る見込みであるとし、世界ランキングを見てもオリンピック代表選手としての資格を十分に満たしていた羽生結弦選手は、日本代表選手に選ばれたのです。
平昌オリンピックフィギュアスケートの団体戦が羽生結弦選手の復帰戦になると言われていましたが、こちらも出場を見送り。
やっぱり怪我の具合が良くないのでは、、、本当にオリンピックの舞台に立つことができるのだろうか、、、そんな不安を抱いたのは私だけではなかったことでしょう。
そして迎えた男子シングルのショートプログラム。
羽生結弦選手は最終グループの1番滑走で登場。
久し振りに試合の場に姿を現した羽生選手、それだけで胸がいっぱいになる思いでした。
一つ一つのエレメンツを確実にこなし、体で音を表現するその演技に、やっぱりこの人は違うなというのを感じたと同時に、内なる強さも感じました。
演技後のインタビューでは、僕はオリンピックというものを知っている、それに向けての調整の仕方も知っている、オリンピックのために色んなものを捨ててきた、幸せと感じることすら捨ててきた、こんなことを冷静に話す姿に私自身の小ささを感じたりもしました(笑)
フリープログラムでも、一つ一つの音を、一つ残さず手先や足のステップで拾っていて、羽生結弦選手そのものが音楽と一体化しているスケーティングに、心から感動しました。
全てを滑り終えて、痛めている右足首を両手で触り労い、そしてリンクを叩き感謝を表する。
最後の最後まで感謝の気持ちを忘れない、なんて素晴らしい人なんだと思いました。
そして、金メダルが確定した瞬間に、それまで背負っていた「羽生結弦」から解放されて、カメラの前にも関わらず感情を露わに泣き崩れる姿に胸を打たれた方も多かったのではないでしょうか。
4回転ジャンプの種類だけを見ると、今できることを優先した羽生結弦選手は、4回転サルコウと4回転トウループの2種類しか挑戦していません。
難易度が高い4回転ルッツや4回転フリップを成功させたネイサン・チェン選手は、フリープログラムの得点だけをみると1位を獲得しています。
ですが、ジャンプだけではない、美しいスケーティングを見せてくれたのが羽生結弦選手なのではないかと思います。
また、オリンピック初出場ながらも2位を獲得した宇野昌磨選手も、羽生結弦選手とは違った意味で凄い選手だなと、改めて感じました。
オリンピックは特別なものだという意識はなくて、一つの試合だと位置づけて臨んだからこそ、緊張から大きく崩れることもなく、最大限の力を発揮できたのではないかとも言われていますね。
フリープログラムでは最終滑走だった宇野昌磨選手、他の選手の演技を見ていて、ノーミスの演技をすれば1位を取れるかもしれないと思っていたそうです。
しかし、冒頭の4回転ループは回り切っていたものの、着氷に失敗して転倒。
普通なら、次は失敗できない!という焦りから、ジャンプのタイミングが微妙にずれていって、演技も乱れがちになるという傾向が多い中、宇野昌磨選手は転倒をしたことを感じさせない演技を続けて、見事、銀メダルを獲得。
ノーミスの演技をすれば1位だと思っていたのに、最初の4回転ループで転倒したときに「ダメだなって思って笑えてきた」という宇野昌磨選手、未知なる大物感を感じさせるコメントも印象的でした。
そして、自身、最後のオリンピックだと決めていたというハビエル・フェルナンデス選手も、迫力のあるジャンプを華麗に成功させ、ショートプログラムではチャップリンを演じ切って観客を魅了し、羽生結弦選手、宇野昌磨選手に次いで、銅メダルを獲得。
羽生結弦選手とハビエル・フェルナンデス選手は同じブライアン・オーサーコーチの門下生、ハビエル・フェルナンデス選手が最後のオリンピックで銅メダルを獲得したということも、羽生結弦選手が流した涙のワケでもあったようです。
また、残念ながら、総合9位で終わってしまったパトリック・チャン選手ですが、難易度の高い4回転ジャンプを飛ぶ若手が多くいる中、ショートプログラムでは6位につけ、フリープログラムでも最終グループに残れる実力があるという意味では、さすが元世界王者だなと思いました。
何はともあれ、ソチオリンピックに続いて2冠を達成し、しかも男子フィギュアスケートでは66年振りの2連覇を果たした羽生結弦選手に、大きな拍手を送りたいと思います。
平昌オリンピックフィギュアスケート女子シングルの結果と感想!
それでは次に、平昌オリンピックのフィギュアスケート、女子シングルの結果について振り返っていきましょう。
【平昌オリンピック フィギュアスケート 女子シングル結果】
1位 アリーナ・ザキトワ(OAR)
2位 エフゲニア・メドベージェワ(OAR)
3位 ケイトリン・オズモンド(CAN)
4位 宮原 知子 (JPN)
5位 カロリーナ・コストナー(ITA)
6位 坂本 花織(JPN)
7位 チェ・ダビン(KOR)
8位 マリア・ソツコワ(OAR)
9位 ブレイディ・テネル(USA)
10位 長洲 未来(USA)
11位以降の選手に関しては、ISU国際スケート連盟のホームページをご覧になってみてくださいね。
参考 Olympic Winter Games PyeongChang 2018 Ladies Single Skating ResultISU公式HP
【異次元のOAR フリープログラムで156.65点の二人】
女子シングルでも、ショートプログラムから高得点の連発で、稀に見るハイレベルな戦いとなりました。
団体戦では、3回転ルッツ+3回転トウループのコンビネーションジャンプが回転不足となり、思うような点数が取れなかった宮原知子選手。
個人戦までの短い期間に、他人が見ても自分が見ても、ちゃんと回り切っているジャンプを練習してきたというだけあって、完璧なジャンプを見せてくれました。
また、ジャンプだけではなく、その他のスピンやステップも繊細かつ華やかに舞う姿に、点数なんてどうでもいいと思えるくらいに感動しました。
ショートプログラムで75.94点、フリープログラムでは146.44点といずれも自己ベストを更新!
上位3名には力及ばず、といった形にはなってしまいましたが、宮原知子選手の持てる力を存分に発揮してくれましたし、また、たくさんの笑顔を見せてくれたことが何よりも嬉しく思いました。
そして、坂本花織選手もシニアデビューシーズンにも関わらず、堂々とした演技を見せてくれました。
総合で6位入賞というのは、本当に素晴らしいことだと思います。
来シーズンも若手の中心となって頑張って欲しいです。
そしてなんといっても、OARのエフゲニア・メドベージェワ選手とアリーナ・ザキトワ選手でしょう。
ショートプログラムでは80点を超える争いで、フリープログラムではなんと156.65点という全く同じ得点だったんですよね。
結果的に、ショートプログラムでわずかにリードしていたアリーナ・ザキトワ選手が金メダルを獲得。
しかし、エフゲニア・メドベージェワ選手も怪我をしていて、グランプリファイナルを欠場するなど、今シーズンは万全とはいえない状態でした。
それでも見る者を引き付ける演技力は圧倒的なものがあり、フリープログラムを演じ切った瞬間に全ての感情が溢れ出した姿が、それまでの苦悩を表しているようでした。
一方、アリーナ・ザキトワ選手は、フリープログラムの演技後半、最初のジャンプでコンビネーションを付けることができないという、少なからず緊張をしていたのかな?と思わせるシーンもありましたが、終盤のジャンプにコンビネーションを付けるなど、小さなミスをミスのままで終わらせない力を持っているなと感じました。
ジャンプの基礎点が1.1倍になる演技後半に、全てのジャンプを行うという演技構成に批判の声も出ているようですが、高得点が期待できる反面、失敗したら得点を伸ばすことができないというリスクも背負っているので、それだけのことをしていて、かつ流れのあるキレイなジャンプをしているアリーナ・ザキトワ選手の評価が高いのは当然ではないかなと思っています。
なにしろ、アリーナ・ザキトワ選手以外に、3回転ルッツ+3回転ループという難易度の高いジャンプが飛ぶ選手はいないので、そういった技術もジャッジからの評価を受ける要因になっていると思います。
また、表彰台には届きませんでしたが、カロリーナ・コストナー選手も優雅で伸びやかな、ベテランならではの演技を見せてくれました。
荒川静香さんが金メダルを獲得したトリノオリンピックや、浅田真央さんが銀メダルを獲得したバンクーバーオリンピックにも出場していたカロリーナ・コストナー選手。
得点の採点方法が変わったり、女子シングルのレベルも上がってきている中、長い間現役選手を続けられているというのは簡単なことではないと思います。
未だにこうして一線で戦っている姿を見ることができて、それだけでとても嬉しく思いました。
平昌オリンピック男子&女子シングルまとめ
平昌オリンピックのフィギュアスケート、男子シングル・女子シングルについて、私なりの感想も合わせて振り返ってみましたがいかがでしたでしょうか?
男女ともに、最終グループとそれ以前のグループでは、ちょっと差があるように感じました。
それだけトップ選手たちは抜きん出ているということなのかもしれませんね。
その技術を磨く上での代償として、足だけではなく、体にも大きな負担をかけているとも言います。
まずは少し休んでから、それぞれの次のステップに進んで欲しいなと思います。